とっもだっちひゃっくに●ん←JASR●C対策



末と、ちょぼぼんをはじめとした末のきょうだいたちは、およそ一週間で5匹ぜんぶがもらわれていきました。室蘭保健所がまだそれほど譲渡に熱心ではなかった時代、とても幸運だったと思います。

以下、ちょっとヘヴィなおはなし。


今朝、役立たずの私とは比べものにならないほど猫を救うために全身全霊をかけているボランティア仲間が、室蘭保健所に負傷ハチワレを迎えにきました。
週末は保健所の職員さんが不在となるため、体調を崩しやすい子猫を置いておくのは心配ということで、一緒に掲載されているキジトラと、入ったばかりの1ヶ月ほどのきょうだいも連れて行くことになりました。
彼女はいつもいつも週末になると、土日にご飯あたらなくて腹減らすだろうなー、水飲めなかったらどうしよー、暑かったり寒かったりで熱中症になったり風邪ひいたりしたら……あかん! 出さなあかん!とすっ飛んできます。猫の神様です。いや、猫にとっての女神様です。

今朝も、保健所が開くと同時に猫が収容されている犬舎に向かいました。私の職場が保健所のごくごく近くなので、私も犬舎に顔を出しました。
犬猫が一緒に収容される建物は、室蘭保健所や胆振総合振興局が入っているビルの裏手にあります。ゴミ置き場と喫煙所の隣に、ぽつんと立っている小さなコンクリートの箱が、犬猫が持ち込まれて、その大半が命を落とす場所です。
メタボのダックスがわんわん吠えていました。私が行ったときにはハチワレはすでにキャリーに入れられて車に乗せられていました。手作りの乳飲み子保育ボックスの中にはヨコミミさんを卒業しかけたきょうだい2匹。キジトラさんは振興局の獣医さんにいっちょまえに「シャーー!」(またまたまたー)してみせて、腹見せて(こらこらこらうぷぷ)、むぎゅっ(ざまあ・笑)と捕まれてキャリーに入れられました。

そんなのどかな光景の中、実は私たちの足下には黒の子猫2匹が入った小さなケージが置かれていました。2匹はともに息絶えようとしています。

生後1ヶ月くらいのきょうだいが、ケージの中で脱糞して、片方はすでにだらんと伸びきって横たわり、もう一匹がぴたりともう一匹に寄り添い、身体を丸めていました。
横たわっている片割れは、もう息がないと思いました。でも私が見ている間に、一度だけ小さく胸が動かしました。

糞尿にまみれて汚れています。下痢もしていました。誰が見ても助からないとすぐに分かります。「もしかしたら今すぐ病院に駆け込めば助かるかも」という考えがほんの少し脳裏をかすめても、病気をもっている可能性の高い子猫に触れることはできません。他の保護猫や、自分たちの飼い猫への感染のリスクを背負うことになるのです。
「しょうがないね」も「かわいそう」も誰もいいません。「この子たちはもう死ぬ運命」なのは悲しいかな暗黙の了解なのです。だから猫の女神様も私も、そのきょうだいをまるで見なかったかのようにその場を離れました。

女神様からは「がんばって諦めたけど、預かりボランティアさんに電話してる最中に取り乱した」とメールがきました。がんばってがんばって思い切らなければ、「連れ帰れない」という事実を自分でも「納得できない」のです。力なく横たわる2匹の姿が目から離れないのです。
三度の飯は忘れても猫を救うことだけは忘れない。疲労が溜まりに溜まってヨダレ垂らして気絶しても、ハッと目を醒ましたらボーッとしたまま乳飲み子にほ乳瓶を宛がってる女神様です。どんなに無理だと思っても、一縷の望みがあるなら救ってあげたいと考えるのがあたりまえです。
息絶えようとしている子猫を置いて犬舎を出るのは断腸の思いだったでしょう。自分を責めたと思います。黒子猫2匹が力なく寄り添う姿が目に浮かび、ぐわっ!と怒りと悲しみがないまぜになった感情が押し寄せたのだと思います。

救えるものなら全部を救いたい。ボランティアは誰もが考えます。実際に実践している人もいますが、病気が蔓延する確率はとてつもなく高くなります。
ボランティアは猫を一匹救うごとに多大な責任を負いますが、一匹見捨てるごとに消えない罪を背負います。「罪の意識」ではなく、ボランティアは紛うことなき「罪」と感じてしまいます。万が一無理をして病気の猫を引き取って、その子が持っている病気が幸せになるはずの子にまで感染してしまったら、ボランティアの「罪」はまた増えてしまいます。そしてそのうち「罪」に押しつぶされて、ひっそりと一線を退くのです。
まさに進むも地獄、退くも地獄です。年間数百匹入ってくる猫をすべて救うなんてできるはずもなく、毎年毎年「罪」の数は増え続けていきます。今現在、預かりを休んでいる私の「罪」貯金はたぶん家一軒建つくらい溜まってます。

保健所があるビルには、数百人の人間が働いています。室蘭市内でも一番の複合ビルです。
その裏にひっそりと建っている建物がなんなのかを、毎日通勤している人たちは知っているのでしょうか。
あなたたちの足下で何百匹もの犬猫が死んでいってるんだよ、と言ったら、ペットショップで犬猫を買うのをやめてくれるでしょうか。テレビの動物番組を見て「かわいい」を連発することをやめてくれるでしょうか。

ビルで働く人たちがひとり一匹連れ帰ってくれれば、とても多くの猫が救われます。
一口に「保健所」と言っても、ほとんどの人が動物には関わりのない部署で働いています。でもその人たちも「保健所」の職員です。せめて彼らが犬舎の子をもらってくれれば、せめて彼らが土日の世話を買って出てくれれば、どれほどの命が長らえることができるでしょう。

市内近郊のボランティアたちは、本当に少人数でがんばっています。何倍、何十倍もの人たちが、消えゆく命のすぐそばで日々働きながら、聞こえないふりをして無視しているのです。通用口を通るたび、犬の悲壮な鳴き声が響き渡っているのに。子猫が乳をねだる声が聞こえているはずなのに。

先日のブログ記事にも書きましたとおり、北海道では「新しい飼い主探しネットワーク事業」に取り組んでいます。これは本来、「収容された犬猫の譲渡先を探す」取り組みではなく、犬猫を飼う意思のある道民に「入ってきた」犬猫を譲る取り組みです。つまり、待機するのは収容される犬猫ではなく、譲渡される飼い主のほうなのです。
新しい飼い主探しネットワーク事業の登録者が100人いれば、100匹の犬猫が入って来ても犬舎に収容されるやいなや出ることができます。悲しいことに、生き物が集まる場所ですから病気の発生も多々あります。収容期間は短いに越したことがないのです。できれば収容などされずに、「入ってくる」予約と「譲渡希望」がマッチングできれば、狭くて暗い犬舎に1秒たりとも入ることなく、新しいおうちにもらわれることができる制度になってくれれば、と欲張って考えます。

末はたぶん最短記録です。4時間ほどしか犬舎にいませんでした。それでもなんらかの細菌に感染して、白血球が通常の4倍以上になり(4万越え!)、1週間も下痢が止まりませんでした。
昨年は各地の保健所で一番怖い「猫パルボウイルス感染症」が発生し、当時収容されていた猫たちはすべて処分、消毒とウイルス廃絶のため一定期間収容受け入れ停止となりました。

国は本格的に犬猫の殺処分率半減を目標に掲げ始めました。北海道のような譲渡事業が全国に普及し、周知によって登録者も増え、いずれは保健所を介することなく専門のケースワーカーが譲る側と譲り受ける側双方のマッチングを行い、右から左に犬猫の譲渡が行われるような、そんな時代になってほしいものです。

そしたらボランティアみんな廃業ですわ。はっはっはー。

そうなってくれないと、私たちは今朝の光景を一生忘れられません。黒毛玉の骸になる直前の、片方はべろーんと伸びた子猫、片方は小さく丸まった子猫。
横たわる子はお兄ちゃんかな。丸いこはおとうとかな。なんとなくそう感じました。
おにいたん、ちめたくない? おにいたんのからだ、ちょっとちめたいよ。ぼくもっとくっつきたいんだけど、おにいたんとおなかだけしかくっつかないよ? おにいたん、ぼくもおにいたんとおなじかっこしたほうがいいかな。

……きっとそんな会話を交わす力も残っていなかったと思います。
このこらを捨てたのはだれだ。
連れてきたのはだれだ。
見捨てたのはだれだ。

最後の疑問だけは答えがわかっています。それは私です。私が見捨てました。
今朝も「罪」がいっこ増えました。

tnbk.jpg

↑この子は「我が家の滞在最短記録保持者・てんぼく」ちゃん。漢らしいお名前だけど、一応お嬢ちゃん……?かどうか微妙なXXなのよねえ……。
トライアルじゃなくて正式譲渡だったんですが、ご家庭の事情で(えー、なかんじ)出戻りになりましたー。電話受けてソッコーで「じゃ、いま取りに行きます!」と車出しましたー。てへ。私とっても短気。

結局そのあと預かりボランティアさんの元へお届けしたので、我が家にいたのは実質30分くらいかと。
末、「おもちゃきたとおもったのにいなくなっちゃったよ……?」ごめんねー末、新しいおもちゃはしばらくこないんだー。わるいけどたぬでしばらく遊んでてー。たぬ、受難。
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ツイッターから

来ました。

ブログ全部拝見してませんが、この記事を読んで、泣くことしかできません。

涙は黒い兄弟猫さんに、猫の女神さまに、そしてふぅさんに。

捨てた人、持ち込んだ人は自分と同じニンゲンなんですね…

5月のばんけいのDOぶつフェスタに行きましたよ。
わたしに何ができるんだろうと考えています。

No title

こんばんは、シンコさん。

普段はお笑い要素満載なブログです。
「涙腺絞ります」ネタはほんのちょっとですが、ときどき危険物のように現れます。

実はこのとき女神さまが引き出してくれたハチワレの予後もあまりよくなく……。
ぜひ元気になってくれと祈るしかありません。

ゆっくりと動愛法が変わりつつあります。
保健所で「引取り拒否」もできるようになります。

それがどういう結果を生むか、じっくり見守らなくてはなりませんね。
それしかできないのが歯がゆいんですが……。
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ぽちっとしたくねえな…。

プロフィール

Author:ふぅ
「ふぅ」です。うしろの「ぅ」はちっちゃい「ぅ」です。生まれも育ちも北海道。もともとは主にツイッターでぶつぶつ呟いてましたが、140字制限がもどかしくてこっち来てみました。でも緊急性のあるものは変わらずツイッターで呟きます。アカウントは@nekodasukeです。フォローよろしく。
【猫辞典】は完全オリジナル。自由きままに猫の生態を書き連ねてます。ツイッター発祥なのですべて原則140字以内です。
ブログタイトルの『猫っツラにデコピン!』は略して『ねこぴん』とでも読んでいただければうれしゅうございます。

ではどうぞごゆっくり。

メンバー紹介

元捨て猫、現女王様。名前はふう、通称ふーこ2000年の晩秋、雪が降り始める直前に保護。身体は一番小さいけれど一番の権力者。ある意味我が家は彼女の独裁政権下。超ミニサイズ(ミニというより寸足らず?)のもうすぐ17歳♀。長毛ミックスなんだけど何が混じってるのかは不明。



名前は千明通称ちーこまたは末(すえ)。2009年(たぶん)4月生まれの8歳♀。保健所に持ち込まれた5匹兄弟のうち一番の美人にゃんを拉致して帰ったつもりが、いつの間にか「こいつ実はちん○んあるんじゃねえの?」疑惑を経て我が家のお笑い&破壊担当班長に就任。



本名たぬき通称たぬ。2010年夏、我が家の一員とするため無理やり捕獲した元ノラ猫。ただし最初は外飼い猫だったと思われる。(推定)1999年初夏生まれの18歳♀。種族保存の本能に満ち溢れ、こんな男らしい顔つきのわりに非常にモテていた。



本名ばん通称ばんばん、ばんこ、ババンがバン他。2014年夏、伊達のおまつりにやってきたおばあちゃん思いの男子高校生の通報によりレスキュー。むちゃくちゃ薄汚れていたらしいが捨て猫なのか元ノラなのかは不明。警戒心のかけらもない無防備なおバカさん。ようやく3歳。めんどくさいので推定誕生日はたぬと一緒。


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我が家の常備品

★もう年なので、これを飲まなければ朝起きられません下瞼は重力に負けます毛穴は縦に開きます俗に言うたるみ毛穴っつーやつですわ夜寝る直前に飲むのがコツです朝飲んでも効くのは午後になってからですつまり半日は役立たずっちゅーわけですわvvわたしは365日飲みます毎日飲むので箱買い当然箱買い上等もはや中毒???

★今回はもう、ほんとにコレにお世話になってます。パルボは熱でもアルコールでも死にません。塩素かコレです。塩素は主に洗濯に。バイオチャレンジは主にお掃除に使ってます。ガンガン使ってるのでガンガン減っていきます。お財布痛いですけどしょうがないです……。

★メーカーのみなさま、申し訳ございません。我が家ではこれをうんP一時収納箱として利用させていただいております。抜群の臭い遮蔽率!猫飼いの必需品と考えております。これを使うようになってから、うんP処理がものすごく楽ちんになりました♪

★いろいろ試したけど、我が家ではこれしか使ってくれませんでした……。よく固まってうんこしっこ取るのも楽なんだけど、重たくて運ぶのが大変なのが玉にキズ。なのでほとんど通販で購入。タイミングによって値段の幅がものすごい。

★お猫さまの数だけトイレは必要(ほんとは+1が理想)。我が家はこれ3つを常設。保護猫がいる間はさらに増やします。安いし洗いやすい。ものすごく小さいけど、みんな上手に使ってくれてます。たまにはみ出すヤツもいるけど(笑)。

★お猫さまの便秘を放っておくと、いずれ毎度病院で掻き出してもらわなきゃならなくなると言われました。うちの女王様は病院でこれを勧められて食べ始めたら、とたんに快食快便になりました。うんPの量が3倍くらいになってびっくり。

★週に一度のブラッシングではこれ使ってます。最初は逃げ回るたぬーも、いったん背中にこれを当てられるとふにゃんと腰砕け(笑)。でも角が当たると傷つけかねないので扱いは慎重に。

★新居に引っ越す前に徹底的にテストしました。麻・カーペット・木、そしてこのダンボールの爪とぎを買って来て並べたところ、これ以外には全く興味を示しませんでした。引っ越してからもちゃんとこの爪とぎだけで爪とぎしてくれます。おかげで壁紙破られずに済んでます(笑)。

★2年間使い倒したカメラが壊れたというか壊したというか……。マクロ機能がさらにアップしているらしく、末の鼻の奥までバッチリです。カメラを選ぶときのこだわりは「同じ電池を使える」ということ。電池が同じなら充電器も同じです。コストダウンにつながります。でもだんだん選択肢が少なくなってきた……。写真はゴールドですが私が選んだのはどピンク。カメラは必ずピンクと決めています。女らしさを欠片も持ち合わせていない私の唯一の自己主張かな。ただ単に派手好きという説も(笑)。

★お猫さまのお世話で疲れたお肌もこれさえ塗れば一発で……上がればいいんですけど(笑)。地球の重力に引っ張られて下がるばっかりですが、なんとかがんばって抗ってます。上がれ~~上がれ~~。

★北海道にノミはいないっていう獣医さんもいるけれど、用心のために毎月みんなにつけてます。保健所にいる子を引き出す際にも使うので常に常備してます。うちの母、ノミにもアレルギーなんですわ。ここ、すごい安い……っ。

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