「僕たちを殺さないで~猫殺処分ゼロへの挑戦」

 北海道ローカル局uhb(北海道文化放送)が「スーパーニュース」枠で特集を放送しました。題して「僕たちを殺さないで~殺処分ゼロへの挑戦」です。
 北海道内には、高橋はるみ知事以下の「北海道」に属する各支庁の「振興局」直下の「保健所」とは別に、札幌・旭川・函館・小樽の政令指定都市独自が運営する保健所があります。
 旭川には昨年、「あにまある」という先進的な保健所の収容施設ができました。郊外から街中に場所を移し休日も収容動物との面会が可能になるなど、動物愛護の精神を最大限に具現したととても評判になりました。
 しかし現実は平日に講習を受けないと譲渡してもらえないなど制約がある上、新しい施設を建設したのは既存の施設があまりにも老朽化して不衛生だったという裏事情もありますが、またそれは別な話。

 今回の特集は時間枠のせいか踏み込みは足りなかったものの、啓蒙としては十分な内容でした。『旭川で「地域アイドル」作戦』とかサブタイトルつけてましたが、それはちょっとやりすぎ(笑)。ゆるキャラ認定でもすんのかよ、とツッコミたくなる勇み足です。

 冒頭、まず旭川の動物愛護センターの職員の方が捕獲器を携えて個人宅に向かいます。「ノラ猫の苦情がきたから捕まえに来た」映像です。「一匹の猫にごはんをあげたら7匹に増えちゃった」のでご近所が通報したのか本人が困って相談したのか、曖昧な内容です。ごはんを食べに来ている猫の中には末そっくりの子もいます。この子たちは通報がなければそもそもセンターに連れていかれたりしません。
 ご存じないかたも多いかと思いますが、犬は「狂犬病予防法」に基づいてそのへんをウロウロしていたら自治体には捕獲義務がありますが、猫にはありません。通報をうけてセンターの職員が捕獲に赴くことも希です。
 通常は飼い主本人か、捨て猫を拾った人が持ち込みます。捕獲器がなければ到底捕まえられるはずのない大人のノラ猫は放置されるのが常です。
 あえて捕獲器まで持ち出して捕獲するのが是が非か、そこから議論する必要もあるかもしれません。私は処分だけを目的としないなら捕獲器の使用に反対しませんが、もし捕獲器に入ったこの子がエサやりさん以外に懐かず「攻撃性がある」と判断された場合、旭川市はいったいどう処理するのでしょう。一般的に威嚇したり爪を出したりする猫は保健所では処分されてしまいます。エサやりさん宅にきていた大人の猫は捕獲器であっさり捕まってしまいました。行く末が心配……とハラハラしましたが、特集の最後でちゃんと戻ってきました。ホッ。
 あにまあるの収容施設は犬猫分かれているそうで、しかも他の収容施設からは考えられないほど清潔です。でも、猫の収容数は限度40匹を遙かに越えて94匹。室蘭ではここまでの数を一度に収容することは不可能です。室蘭保健所の猫の収容スペースはせいぜいが4~5畳程度しかありません。犬と一緒なので大型犬が入ってくればもっと狭くなります。狭くなるということは命の期限も短くなるということです。
 あにまあるに持ち込まれる猫は1年間で573匹だそうです。うろ覚えですが、この数字はおそらく室蘭のある胆振管内の1.5倍くらいだと思います。
 573匹のうち323匹がセンターから譲渡されたとのこと。驚異的な数字です。過去のデータですが、平成22年度に旭川市が収容した猫は590匹。そのうち譲渡・返還されたのがたったの25匹でした。北海道全体(政令指定都市を除く)では収容3,452に対して譲渡・返還が744匹です。
 収容されたのち、生き延びられた猫は旭川4%、北海道21%。旭川は過去の教訓から生まれ変わることを決意したのかもしれません。
 子猫はもらわれやすいが、大人猫はやむをえず殺処分にいたる、と番組は続きます。しかし収容期間中に致死率が高いのは子猫です。
 去年から今年にかけて北海道内では「パルボウィルス感染症」が猛威をふるっています。雑多な由来の猫が集まる保健所などの施設で多く発生し、そのたびに全頭処分→消毒→受け入れ中止→しばらくして受け入れ再開、となります。パルボが発生すると、たとえ直前に譲渡がきまっていても処分されることもあります。また、運よく譲渡されたとしても譲渡先でパルボを発症して死に至ります。子猫は体力がなく、また生後2~3ヶ月の子猫は譲渡率が高い一方、母猫からの免疫が切れる時期でもあるので、命を落とす確率もまた高いです。
 もらい手が見つからなかった猫の処分方法として、薬剤の入った注射器が映し出されました。札幌の事情はよく知らないのですが、北海道の他の施設も処分方法は旭川と同じ薬剤です。本当に「眠るように」なくなります。だからといってなんの救いにもならないのですが……。
「経済的な理由で飼うことができずセンターに持ち込まれた猫」がケージの中で鳴いています。
 保管番号362の白黒&黒猫きょうだい。保管番号434のハチワレは農作物を荒らすという理由で持ち込まれた……ということは素人でも捕まえられたというわけで、誰かの世話を受けていたか、世話した本人が持ち込んだ可能性もあります。
 保管番号○○番をあえてテロップを出すのは、もしかしたら誰かが問い合わせしたら譲渡してもらえるのでしょうか。彼らの命はまだ繋がっているのでしょうか。と、見てみたらいるわ。
 取材中に持ち込まれたヨコミミを卒業するかしないかのハチワレ子猫。持ち込んだのは「町内の人から相談を受けた」町内会長さん。相談した人はどうしてこんな人に相談したの? 相談したら保健所に連れて行かれるって分かっていて相談したの? どうして相談を受けた会長さんはあっさり保健所につれてくるの?
 次に映し出されたシーンに私は口あんぐり。「あにまある」では避妊・去勢手術をしてくれるとですか! 北海道はなにもしてくれません。なんの補助もなければ怪我や風邪の治療をしてくれる保健所も希。さきほどエサやりさん宅で捕獲器にぶち込まれた子が手術受けてます。全麻なのに目ぇまんまる見開いてるよ! はじめて見たよ!
 しかし「地域猫」といっても旭川は道内屈指の豪雪地帯。雪かきをさぼると屋根がつぶれちゃう~~な地域です。はたして彼らは冬を越せるのでしょうか。
 そして、地域猫=アイドルとするには猫嫌いの人を説得しなくてはなりません。いや、猫嫌いというのは説得してどうにかなるものではありません。
 それに、ノラ猫と飼い猫の区別はどうやってつけるのでしょう。家で飼っている猫を「ノラ猫です」と申告して手術を無料でしてもらい、外に放り出すという心配はないのでしょうか。北海道はまだまだ家猫を出入り自由にしていたり、猫の飼育に関しては後進地域です。ここは一歩踏み込んで、少なくとも旭川市内で飼育する犬猫にはすべてチップを埋め込んで区別しないと、制度を悪用する人は必ず出てくるでしょう。
 道内各地では過去に避妊・去勢手術の助成をしていました。数年前~10数年前に取りやめになった背景には、財政難とともに「詐取」があったのではないでしょうか。
 飼い猫はもちろん自腹で手術しますが、ノラ猫や保護猫にはなんらかの補助がほしい。少ない給料の中から自腹をきって手術や治療をしている猫ボランティアは切に願っています。
 エサやりのおばさんは「捨てる人、エサをやる人、両方勝手。人間が勝手」とインタビューに答えます。
 そもそも飼い主を持たない愛玩動物がどうして野にいるのか、「市」ではなく「国」がきちんと考えて対処すべきです。テレビに写ったエサやりのおばさん宅、背景はぼかされてますがご近所を介して場所は明かになってしまうでしょう。どうか猫捨山になりませんように。もっともそれを覚悟してテレビに出たんでしょうけど。
 おばちゃん、「子猫がきたからエサやったら増えちゃって~」の前に、子猫のうちに里親さん探してほしかったなー。あー何度見ても末だ……。

 ところで奥さん。お外の猫をお世話する人は「里親さん」とは言いませんよ。うーむ。テレビって綺麗な部分しか映さないからね。

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 写真がないとさみしいので「女王様におざぶから追い出されてあじゃぱー」な末をどうぞ。
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プロフィール

Author:ふぅ
「ふぅ」です。うしろの「ぅ」はちっちゃい「ぅ」です。生まれも育ちも北海道。もともとは主にツイッターでぶつぶつ呟いてましたが、140字制限がもどかしくてこっち来てみました。でも緊急性のあるものは変わらずツイッターで呟きます。アカウントは@nekodasukeです。フォローよろしく。
【猫辞典】は完全オリジナル。自由きままに猫の生態を書き連ねてます。ツイッター発祥なのですべて原則140字以内です。
ブログタイトルの『猫っツラにデコピン!』は略して『ねこぴん』とでも読んでいただければうれしゅうございます。

ではどうぞごゆっくり。

メンバー紹介

元捨て猫、現女王様。名前はふう、通称ふーこ2000年の晩秋、雪が降り始める直前に保護。身体は一番小さいけれど一番の権力者。ある意味我が家は彼女の独裁政権下。超ミニサイズ(ミニというより寸足らず?)のもうすぐ17歳♀。長毛ミックスなんだけど何が混じってるのかは不明。



名前は千明通称ちーこまたは末(すえ)。2009年(たぶん)4月生まれの8歳♀。保健所に持ち込まれた5匹兄弟のうち一番の美人にゃんを拉致して帰ったつもりが、いつの間にか「こいつ実はちん○んあるんじゃねえの?」疑惑を経て我が家のお笑い&破壊担当班長に就任。



本名たぬき通称たぬ。2010年夏、我が家の一員とするため無理やり捕獲した元ノラ猫。ただし最初は外飼い猫だったと思われる。(推定)1999年初夏生まれの18歳♀。種族保存の本能に満ち溢れ、こんな男らしい顔つきのわりに非常にモテていた。2017年7月2日、病気発覚からわずか1ヶ月、ジェットコースターのような怒濤の闘病を経て潔く永眠。



本名ばん通称ばんばん、ばんこ、ババンがバン他。2014年夏、伊達のおまつりにやってきたおばあちゃん思いの男子高校生の通報によりレスキュー。むちゃくちゃ薄汚れていたらしいが捨て猫なのか元ノラなのかは不明。警戒心のかけらもない無防備なおバカさん。ようやく3歳。めんどくさいので推定誕生日はたぬと一緒。


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我が家の常備品

★もう年なので、これを飲まなければ朝起きられません下瞼は重力に負けます毛穴は縦に開きます俗に言うたるみ毛穴っつーやつですわ夜寝る直前に飲むのがコツです朝飲んでも効くのは午後になってからですつまり半日は役立たずっちゅーわけですわvvわたしは365日飲みます毎日飲むので箱買い当然箱買い上等もはや中毒???

★今回はもう、ほんとにコレにお世話になってます。パルボは熱でもアルコールでも死にません。塩素かコレです。塩素は主に洗濯に。バイオチャレンジは主にお掃除に使ってます。ガンガン使ってるのでガンガン減っていきます。お財布痛いですけどしょうがないです……。

★メーカーのみなさま、申し訳ございません。我が家ではこれをうんP一時収納箱として利用させていただいております。抜群の臭い遮蔽率!猫飼いの必需品と考えております。これを使うようになってから、うんP処理がものすごく楽ちんになりました♪

★いろいろ試したけど、我が家ではこれしか使ってくれませんでした……。よく固まってうんこしっこ取るのも楽なんだけど、重たくて運ぶのが大変なのが玉にキズ。なのでほとんど通販で購入。タイミングによって値段の幅がものすごい。

★お猫さまの数だけトイレは必要(ほんとは+1が理想)。我が家はこれ3つを常設。保護猫がいる間はさらに増やします。安いし洗いやすい。ものすごく小さいけど、みんな上手に使ってくれてます。たまにはみ出すヤツもいるけど(笑)。

★お猫さまの便秘を放っておくと、いずれ毎度病院で掻き出してもらわなきゃならなくなると言われました。うちの女王様は病院でこれを勧められて食べ始めたら、とたんに快食快便になりました。うんPの量が3倍くらいになってびっくり。

★週に一度のブラッシングではこれ使ってます。最初は逃げ回るたぬーも、いったん背中にこれを当てられるとふにゃんと腰砕け(笑)。でも角が当たると傷つけかねないので扱いは慎重に。

★新居に引っ越す前に徹底的にテストしました。麻・カーペット・木、そしてこのダンボールの爪とぎを買って来て並べたところ、これ以外には全く興味を示しませんでした。引っ越してからもちゃんとこの爪とぎだけで爪とぎしてくれます。おかげで壁紙破られずに済んでます(笑)。

★2年間使い倒したカメラが壊れたというか壊したというか……。マクロ機能がさらにアップしているらしく、末の鼻の奥までバッチリです。カメラを選ぶときのこだわりは「同じ電池を使える」ということ。電池が同じなら充電器も同じです。コストダウンにつながります。でもだんだん選択肢が少なくなってきた……。写真はゴールドですが私が選んだのはどピンク。カメラは必ずピンクと決めています。女らしさを欠片も持ち合わせていない私の唯一の自己主張かな。ただ単に派手好きという説も(笑)。

★お猫さまのお世話で疲れたお肌もこれさえ塗れば一発で……上がればいいんですけど(笑)。地球の重力に引っ張られて下がるばっかりですが、なんとかがんばって抗ってます。上がれ~~上がれ~~。

★北海道にノミはいないっていう獣医さんもいるけれど、用心のために毎月みんなにつけてます。保健所にいる子を引き出す際にも使うので常に常備してます。うちの母、ノミにもアレルギーなんですわ。ここ、すごい安い……っ。

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